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2018年J2第7節 大分フロンターレ対ジェフユナイテッド千葉 プレビュー

エスナイデルのこだわりであるボランチ1枚の4-3-3システムが復活、退場者・退席者が続出し、開幕から4試合勝てなかったわがジェフ千葉。第5節からはシステムを3-4-2-1に変更、ボランチを2枚としました。すると各選手のタスクが整備され明確となったことで守備・攻撃ともに内容が向上。連勝を飾って第7節に挑みます。

一方の大分トリニータは第3節・岡山戦が今シーズン唯一の黒星。安定した戦いぶりを見せています。直近3試合は負けておらず現在連勝中です。

ジェフ千葉にとっては連勝を3に伸ばし、自動昇格圏との差を縮めたい1戦です。第6節終了時点では2位町田ゼルビアとの勝ち点差は5となっています。

データから

僕が愛読している西原雄一さんのNoteに倣って、Football-Laboのデータを元に大分トリニータの特徴を紹介していきます。

丁寧なポゼッションとリトリートした守備を行う大分トリニータ

大分トリニータの攻撃回数(攻撃開始から相手にボールを奪われるまでを1とする数値です。)は118.5回とリーグ最下位です。一方でチャンス構築率(1回の攻撃がシュートに結び付く確率)は12.4%とリーグ1位の数字です。また、守備の指標では被攻撃回数こそ121.0回とリーグ2位に少ない数字ですが、被チャンス構築率は10.6%とリーグ19位の数字となっています。

上記の数字から、大分トリニータは攻撃時は丁寧にボールをつなぎ、高い確率でシュートまで結び付けるチームであることが推測できます。Football-Labの「攻撃回数」は「攻撃開始から相手にボールを奪われるまで」の回数なので丁寧なポゼッションを行い、相手にボール保持の機会を与えないチームほど回数が少なくなる傾向にあるからです。加えて大分トリニータの30mライン進入回数は41.5回とリーグ2位の数値です。ボールをつなぎながらある程度深い位置まではボールを運べていることがわかります。一方でペナルティエリア進入回数は11.8回とリーグ17位です。30mライン進入回数が多いにも関わらずペナルティエリア進入回数が少ないのは確実に相手を崩す攻撃を志向しており状況が悪ければバックパスしてやり直すことをしているためかもしれません。

 

一方で、守備時には相手にボールを持たれる機会こそ多くないもののシュートはかなりの確率で打たれていることが分かります。恐らくラインを低く保ちながら、自陣のある程度深い位置でボールを奪うあるいは相手チームにとって確率の低い状況でシュートを打たせる守備方法を取っているのではないでしょうか。

実際に試合を見てみました

上記はデータからのみ考えた仮説にすぎません。当然、他の解釈もできると思います。

そこで上記仮説を検証するために試合を見てみました。選んだのは第5節の水戸戦です。

結論から言うと、上記の予想はおおむね当たっていました。大分は時にはGKの髙木も参加するビルドアップから着実にパスをつなぎシュートにつなげていました。また、守備時は前からプレスするのではなくブロックを作ってある程度前進させてからボールを奪う方法を取っていました。とはいえ前から奪いに行くシーンも時折あり、3点目の林選手の得点シーンは前線の選手が連動してプレスに行ったことから生まれた得点でした。

 

大分のビルドアップ方法

大分の基本フォーメーションは3バックですが、ビルドアップ時にはボランチの丸谷選手が最終ラインに落ちて4バックを形成。4-1-5のような形で攻撃を行います。水戸はFW2枚と両サイドMFが前からボールを奪いに行っていましたが、4-1の計5枚(時にはGKの髙木も参加)でビルドアップが行われるためボールを奪えず、プレスを突破されチャンスを作られ前半早い時間に2失点してしまいました。ここからは推測ですが大分の片野坂監督は水戸のプレッシング方法を事前にスカウティングしてこのような方法を取ったのではないでしょうか。(他の試合でもやっているのかもしれませんが、見ていないので何とも言えません。)

水戸の前線のプレッシングをかいくぐった後は高い位置を取る両WB(特に右WBの松本選手)に展開し、そこからのクロスというのが基本戦術の様です。ちなみにWBがボールを持った時の選手の配置も特徴的で、逆サイドのWBとFW3枚の4枚が高い位置を取ります。林選手、馬場選手、後藤選手が相手ディフェンダーの間を狙って飛び込んでいくのも特徴的でした。

 

大分の守備方法

守備時には両WBを最終ラインに、シャドーの片方を中盤に落として5-4-1のブロックを作ります。前から行くことはせず、ある程度まではボールを運ばせますが中央にボールが入ってきたところで確実にボールを奪い攻撃につなげていました。ボールを奪う位置が低いのでカウンターはあまり狙わず時間をかけて丁寧に組み立てていたのも印象的でした。

髙木選手

2014年、2015年にジェフ千葉に在籍した髙木選手。当時から足元の技術には定評がありましたが、現在はジェフ在籍時よりもさらにうまくなっている気がします。GKからボールをつないでいく大分のスタイルは非常に彼に合っていますね。敵チームではありますが、明日見るのが楽しみです。

 

連勝を伸ばすために

少し先ですが、第9節から第14節までは町田、福岡、甲府、岡山、大宮、新潟と難しいカードが続きます。序盤足踏みしてしまった分、今節の大分戦、次節の金沢戦は自動昇格を目指すためには必ず勝たなければいけないゲームだと思っています。

 

ポイントとしては大分のビルドアップをどう防ぐかという点になってくるでしょう。

水戸は序盤はかなり前から行ってかわされて失点していました。ジェフとしては前節と同じ3-4-2-1で行くのであればボールを奪うポイントを大分のボランチとWBの高さに設定すると良いと思います。であれば4-2-3-1にしても良いと思うのですが、エスナイデルはどう出るでしょうか。

 

明日は大分銀行ドームにて14時キックオフです。僕はDAZNで観戦する予定です。連勝を伸ばせることを願っています。